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執筆者の写真rugbyperformancela

「ラグビー、スキルって何?」

#4 ラグビーコーチング


「あの選手はスキルがある」

「このチームのスキルは高い」


よく耳にする、「スキル」ってどういうことでしょう?


今回のブログでは、スキルについての考察を「超我流」の自由視点でみなさんにお届けできればと思っています。


 


 

運転免許教習場

みなさんは、運転免許をとるときに教習場に通いましたか?


車を運転するというスキルとルールを学ぶために多くの人が免許取得の際に通ったと思います。もちろん、すでにそのスキルをもっていたので教習場に通わなかった人もいるかもしれません。


教習場では、同じ状況で、右折、左折、バック、駐車など多くの技術を獲得しながら、少ない環境変化の中で、車を動かすときのハンドルを回すタイミングやアクセル、ブレーキのタイミングを学んでいきます。あくまで、その目的は基本技術の習得にあるので、何時間も同じことを繰り返しています。


次のステップは、いよいよ路上教習です。多くの人がドキドキ緊張したと思います。


それは、教習場では経験しない、予測できないことが起きる可能性が高いからです。

路上駐車、高速で走行する車、大型バス、トラックなど教習場では経験しない状況、変化の多い違った環境のなかで判断していくことが求められます。その状況の中で、教習場で身につけた基本技術を正しいタイミングで発揮することを訓練することが目的になります。

卒業検定で、他の運転者の運転を後部座席で経験した時に、ブレーキのタイミングの違いにドキドキしましたよね。。


そこから数年、数十年経った現在、みなさんは教官に言われた「目視」を右左折の際にどれだけ実践されていますか?


安全上、「目視」が非常に大切なことであることは理解しますが、これは怠慢なだけでしょうか?


それも1つの要因かもしれませんが、それ以上に年齢や経験を重ねて判断力が増し、運転者のスキルが向上したことが大きいと思います。このように、スポーツだけでなく多くの場面でスキルという言葉が使われていますが、その習得のプロセスに大きな違いはないと考えます。


慢心は交通事故のもと!! 基本はどの世界でも大切ということですね。



 

スキルとは

選手のパフォーマンスを決める要素として、フィジカル、スキル、戦術理解力があります。どれだけフィジカルに優れた選手でも、自分の持っているスキルを発揮できなかったり、戦術理解力が低いとその選手のパフォーマンスは低くなります。逆に、その低い部分をフィジカルが補ってバランスをとっている選手も見られます。


では、ここで言う「スキル」とはどういうことでしょうか?


日本語では、熟練された技術と訳されていますが、簡単にいうと「技術x判断力」と言い換えることができます。


技術=テクニック

・同じ状況の中でパスやタックルなどを正確に遂行できること

・この時に重要なことは、正確な技術を理解して繰り返すこと

・これを怠ると悪い癖となってしまいます。


判断力

・違った状況でも技術を正確に遂行できること

・正確な判断ができるように、静的・動的なスペースや相手の動きを認知すること

・違った環境の中で、正しいタイミングを判断し、技術を遂行できること


例えば、ラグビーでいいタックルをする選手は、相手との間合いの詰め方や詰めるタイミングに素晴らしい感覚を持っています。そこでのタックルの技術に大きな差があるのではなく、この相手との間合い、相手の動きなどを認知しながら、正しいタイミングで加速する判断力に優れており、その結果としてタックルのスキルが高いということになります。


ここでいう、タイミングはセンスと言い換えることができます。


このセンスを伝えることがコーチングにとって非常に困難であり、それぞれの選手のフィジカル差や理解度の差などによりアプローチが変わってくることが困難さを増す要因となります。


そこに至るまでに、運転教習場のように変化の少ない環境の中で、何十時間、何百時間もの時間をかけて基本の技術を習得し、変化量を増やしながら技術の使い方を学ぶということを繰り返すことが必要になります。


よく現場コーチの方から、「基本スキルに時間をかけても、なかなかうまくならない」という話をお聞きします。パスやタックルなどを切り取って時間をかけて反復していると思います。習得した技術を完璧ではない状況でも、運転教習上のように制約があるなかで、その技術を実践する時間を作ることが重要です。ラグビーもボールゲームなどを使って、獲得したスキルを実践する時間を同時に作り出していくことが日々の練習にも必要かもしれません。


リーグワンのチームがやっているからというだけで同じ練習をしてもスキルを獲得できるかは微妙です。なぜなら、自分のチームの選手が同じ技術や判断力、それを可能にするフィジカルをもっているかわからないからです。


大切なことは、その練習を参考にしながら、自分のチームの選手にあったレベルの技術獲得に時間を確保し、環境変化の中で技術を発揮するまでの工程をもつことが必要です。


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