#1 ラグビーコーチング
指導者の皆さん、ミスのない見た目完璧な練習で満足していませんか?
前回のブログにも書きましたが、ラグビーはエラーのスポーツです。
リーグワンでも平均で約30〜40%のエラーが起きているのが現状です。
言い換えれば、ラグビーでは、そのエラーから発生するカオスな状況への適応が求められているということです。
では、カオスへ適応できる選手やチームをつくるには、どのような練習、どのようなコーチングが求められているのでしょうか?
「分析とコーチングの融合」
そんな視点で、3回にわたりラグビーのコーチングについて考えていきます。
想像してみてください。動物園にいる動物をカオスの象徴である野生のサバンナへ放り出したときに生き残れると思いますか?
生まれた瞬間から命を守る訓練をし、そこで培ったタフさ、知性、判断力、スキル(狩)、反応スピードなどを兼ね備えたもののみ、サバンナで生き延びるのかもしれません。
今回のブログでは、W杯決勝戦を参考にしながらラグビーのカオスについての考察を「超我流」の自由視点でみなさんにお届けできればと思っています。
統制されたニュージーランド
個人的には、ニュージーランドもカオスに強いチームであり、アンストラクチャーアタックの威力は半端ないという理解をしています。
元々は、選手の能力が高く、そういう野生的な選手たちが、勝つための確率をあげるためにスキルを高め、統制のあるシステムを武器に、チームを進化させたと言った方がいいかもしれません。
多くのリーグワンのチームでもNZ出身のコーチが増えたことで、どのチームもシステムを中心にスキルを高めるような練習に取り組んでいます。トップの外国人選手とプレーすることで、日本人選手のスキルレベルも飛躍的に伸びていることは事実です。
一方、個人的に残念なことは、試合をみていても同じようなシステムでプレーしているチームが多く、個人の素晴らしさやチームの特徴が昔より見えなくなっていることです。
過去のコーチ時代の自分に目を向けても、選手の個性よりシステムを重要視していた経験があります。システムを整備するメリットは、選手の役割をシンプルにし、判断の機会を少なくすることで、統制しやすくなり、そのプレーの再現性と精度を高めることができることです。その反面、システムを維持することが最終目標化されやすく、選手が機械的になり、局面で判断しなくなるというデメリットもあります。
ニュージーランドの選手も、システムで動きながらも、チャンスやスペースに対する判断(嗅覚)、個人のスキルで局面を打開する能力に優れていることはいうまでもありません。
では、みなさんのチームはどうですか?システムを重視していますか?
システム導入を考える際には、システムは目標達成のための手段・方法であることを理解した上で、① 選手の特徴、②スキルレベル、③フィジカルレベルの3つを考慮することが重要です。
決して、あのチームが使っている、自分の所属していた過去のチームが使っていたという理由ではないことを願います。。。
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