#3 ラグビー分析
リーグワンも始まり、今更のW杯ネタですいません。。。。
今回は、「濵村式ラグビー勝利の分岐点」の活用方法についてご紹介させていただきます。
準決勝の南アフリカ対イングランドの激闘を覚えていらっしゃると期待しながら、このブログを書かせていただきます。
完璧な前半を終えたイングランド。スクラムで流れをつかみ、チャンスをものにした南アフリカっていう内容を、試合の流れ(勢い=モーメンタム)という観点から、また違ったラグビーの楽しみ方をご紹介したいと思います。
このような試合では、1つの判断ミスやチャンスが大きく流れを変え、接戦の結果に大きな影響をあたえることがあります。
モーメンタムとは
ラグビーはミスが多いスポーツです。ミスが起きるのは当たり前のなかで、お互いに試合を優勢にすすめるためには、試合の流れをつかみ、掴んだチャンスをものにすることが大切です。例えば、リーグワンのワイルドナイツはこの典型的なチームで、試合の終盤に必ずチャンスを掴み、試合に勝つ嗅覚をもっています。
自分たちの試合の流れを失わないためには、1つ1つのアタック機会の結果をポジティブにすることが重要であり、それを連続させることが相手にとっては大きなプレッシャーとなります。これに、「濵村式ラグビー勝利の分岐点」の分析結果を活用することができます。
そんな攻防のなかで、ミスをしても3回連続してミスを繰り返さないこと、連続して反則を繰り返さないことが重要であると筆者は考えています。なぜなら、3回連続したミスや反則の中でメンタル的にも下がっている状況で失点することが非常に多いからです。
したがって、2回連続でミスしたり、反則したときに、チームとしてどのようにその悪い流れを払拭し、切り替えられるかが非常に大切になってきます。どの選手もわざと反則をしたりミスをするためにプレーしているわけではないので、3回目にチームが上向きな方向になるようなプレーを心がけることが重要になります。
では、イングランドv南アフリカの試合のモーメンタムはどうだったのでしょうか?
筆者がアナリスト時代に使用し、「濵村式ラグビー勝利の分岐点」を活用したモーメンタムグラフを用いて表したのが以下です。
イングランドの前半と後半のモーメンタム(試合の流れ、勢い)になります。
イングランドの前半は完璧な試合運びで、右肩あがりに精度良いプレーを繰り返していたことがわかり、その右肩あがりの状況でペナルティーのチャンスに確実にPGで得点を重ねる、この天候の中で最適な選択をして、試合を完全に支配していたことがわかります。
ただし、前半終盤部分でのアタック精度の低下、3回以上のミスを繰り返した状況(丸点線部分)で南アフリカのPGによる得点につながったことは痛かったと思います。前半最後にPGを決め、結果12対6で前半を折り返すことができましたが、終盤の右肩下がり部分がなければ、12対3で前半を終わることができました。
イングランドの後半はグラフからもわかるように、精度のいいプレーが連続せず、なかなか勢いを掴みきれない流れの中で、南アフリカもミスを繰り返すという時間が続きました。
そんな中、イングランドがドロップゴールを決めた時には多くの人がイングランドの勝利を感じたことと思います。
ドロップゴールのあとの勢いが続く57分、ファレルの南ア陣22m内へのグラバーキックの処理をミスした南アフリカ。15対6のスコアで試合の流れは完全にイングランド。このチャンスをものにできれば、イングランドの勝利は確実になる重要な場面。
イングランドボールのスクラムを南アフリカが押し返してペナルティーを誘い、南アフリカがその流れを一掃した60分のスクラム。これがこの試合のターニングポイントでした。
右肩上がりの状況、最高のチャンスで得点できなかったイングランドにとって大きなターニングポイントでした。
ここからイングランドの勢いは完全にとまり、グラフでもどんどん右肩下がり、その嫌な流れの中で南アフリカにトライを許し、失点して万事休す。一時は誰もがイングランドの勝利を感じただけに、イングランドにとっては非常に残念な結果になりました。
一方の南アフリカは、流れがつかめない状況のなかでも失点せず、60分のスクラムで流れを取り戻し、数少ないチャンスで得点まで持って行った勝負強さを見せた内容でした。
みなさんも「試合の流れ」を感じながら、どっちのチームに流れがあるのかという視点で、これからのリーグワンの試合を観戦してはいかがでしょうか?
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